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Current Opinion
心臓核医学の動向機能・代謝画像から分子画像へ
Recent Advance in Nuclear Cardiology
西村 恒彦
1
Tsunehiko Nishimura
1
1京都府立医科大学放射線医学
1Department of Radiology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.693-697
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902320
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心臓核医学をめぐる最近1年間の話題
Straussによる心電図同期心プールシンチグラフィを用いた心機能評価1),Pohostによる201T1再分布現象を用いた心筋虚血,viability評価2)を契機として心臓核医学は過去4半世紀の間に急速に発展した.とりわけGermanoによる心電図同期心筋SPECTを用いた定量評価3)は血流・機能画像の定量化をもたらし,虚血性心疾患の診断のみならず予後評価の面から重要な検査として定着してきた.一方,18F-FDGを用いた心筋PETは心筋viabilityのgold standardとして確立され,日常診療への普及として同時計数回路方式を用いたHybrid-PETが開発されてきた.123I—BMIPPを用いた脂肪酸代謝画像と併せ,代謝画像の普遍化は病態の早期検出,予後判定法として期待されつつある.
ところで,生体内にある特定の分子をin vivoで特異的に視覚化する試みはトレーサを駆使できる核医学の特徴を十分に生かしたものであり,分子画像と称される.神経伝達・受容体イメージング,抗体・ペプチドイメージング,さらには遺伝子発現イメージングが開発され,具現化しつっある.たとえば123I-MIBGを用いた心不全における交感神経機能の評価などは日常診療に役立っている.動脈硬化やアポトーシスの画像化に加え,今後,遺伝子治療,心筋再生療法などの新しい治療法の開発に伴い,分子画像の役割がますます重要になるものと考えられる.このように心臓核医学は機能・代謝画像から分子画像へと変貌をとげつつある.
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