Japanese
English
特集 突然死をめぐって
突然死と遺伝子異常
Relationship between Cardiac Sudden Death and its Genetic Backgrounds
原田 智浩
1
,
永井 良三
1
Tomohiro Harada
1
,
Ryozo Nagai
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.653-659
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902314
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はじめに
米国男性における突然死の年間発生数はおよそ30万人といわれ,そのうち88%は心臓死であり,虚血性心疾患が半数を占める.しかし,近年分子遺伝学の進歩とともに多くの心疾患の原因遺伝子が同定され,疾患の発症機序やリスクの推定が可能となった.単一遺伝性疾患としてQT延長症候群,Brugada症候群,肥大型心筋症,拡張型心筋症などがあるのに対し,多因子遺伝性疾患として虚血性心疾患,動脈硬化,高血圧などがある.前者は原因が単一遺伝子であるため直接罹患や突然死との関係が論じられることが多い.後者は原因が多因子であるために直接遺伝子変異と死が論じられることは少なく,むしろ遺伝子多型(genetic polymorphism)が問題となる.
今回は突然死と関与した単一性遺伝性疾患に関し概説する.
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