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Current Opinion
小児・学童期の突然死—心臓性突然死について
Sudden Cardiac Death in Early and Later Childhood
萱谷 太
1
,
中島 徹
1
Futoshi Kayatani
1
,
Tohru Nakajima
1
1大阪府立母子保健総合医療センター小児循環器科
1Department of Pediatric Cardiology, Osaka Medical Center and Research Institute for Maternal and Child Health
pp.1151-1155
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902567
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小児・学童期の心臓性突然死をめぐる最近1年間の話題
小児突然死は成人に比べ少なく,剖検率の低い本邦では疫学調査に限界があり実態把握は困難である.英国北部の報告1)では小児死亡の11%が突然死であり,その半数は基礎疾患がわかっていたexpected sudden death,15%は剖検後も死因不明のunexplained sudden deathであった.基礎疾患はてんかん・脳性麻痺など中枢神経疾患が多く,次いで心疾患が約3割となっている.米国からの報告でも心臓性突然死の割合は2〜3割である2).本邦で小児突然死の実態が把握できるのは学校管理下のみであり,これは全体の約1/4に相当するとの報告もあるが3),全国的な実態は不明である.学校管理下では心臓性突然死が約8割を占め,約1/2が先天性心疾患,1/4が心筋症,1/5が不整脈である.
そこで本稿では,まず1)先天性心疾患に関してであるが,先天性心疾患は近年就学時点で診断され手術を受けていることが多く,また術後患者の遠隔期突然死は健常児の25〜100倍との報告4)があり慎重な管理が要求される.代表的疾患としてFallot四徴や完全大血管転位の術後長期遠隔患者があげられるが,最近では機能的単心室に対するFontan型手術後の中期遠隔患児が増加しており,これらの突然死にかかわる最近の知見を後述する.
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