Japanese
English
Bedside Teaching
体質と小児の突然死—心疾患を持たない子の突然死
Predisposition and Sudden Death of Children
河村 司
1
Tsukasa Kawamura
1
1宮城県成人病予防協会宮城健康診査センター
1Miyagi Association for Prophylaxis of the Cardiovascular Diseases, Center for Health Promotion
pp.1001-1008
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900360
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はじめに
成長発育や既往歴に異常がなく,死の直前まで健康で,また剖検によっても器質的な異常を発見できない小児の突然死は一般に「急性心臓死」と診断されている.確かに心臓死は個体死をもたらす最終的条件に違いないが,不幸な実例を通して,突然死予防のために我々が知りたい解答は「最初の引き金となった生理現象」と「心臓死までの生理的異常過程」である.これらの解答を引き出すには,死亡状況の詳細な分析や剖検だけでなく,それらを評価するために事前の健康状態を正確に判断するための検査資料が必要である,しかし健康小児に許される検査は限られており,乳幼児検診や学校検診以外はその機会もほとんどないので,残されている資料は少ない.このような制約の下では,限られた情報から包括的に個体差の大きい小児期の生理反応の中の危険要因を認識しなければならない.本編ではこのような観点から健康小児の生理的反応のなかで,突然死の誘因となりうる状態について考察した.
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