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Current Opinion
冠動脈疾患の薬物療法大規模スタディと日本の現状
Drug Treatment of Coronary Artery Disease Mega Trials and Current Status in Japan
石川 欽司
1
Kinji Ishikawa
1
1近畿大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Kinki University School of Medicine
pp.477-481
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902289
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冠動脈疾患の薬物療法をめぐる最近1年間の話題
最近の10年間にHMG-CoA還元酵素阻害薬やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の強力な作用が証明されている.これに刺激されて同系統の薬剤が次々と登場し,大規模臨床治験が企画され,その成果が誌上をにぎわしている.更に,GP IIb/IIIa阻害薬の有効性が証明され,これに関連した大規模臨床治験が相次いで実施されている(表1).
本邦では大規模臨床治験の遂行は困難であったが,この困難にめげず,いくつかの治験が実施されたことは特筆すべきことであろう.JAMIS(Japanese Antiplatelets Myocardial InfarctionStudy)1)はその代表である.この治験は,熊本大学の泰江教授を中心とした全国9病院の多施設協同研究で,心筋梗塞発症1ヵ月以内の症例をアスピリン1日81mg(n=250),トラピジル1日300mg(n=243)および抗血小板薬非投与群(n=230)に無作為割付けし,平均475日間追跡調査して心血管イベント発生率を比較した.その結果,アスピリンにより再梗塞は減少し,トラピジルにより心血管イベント,およびそれによる死亡が有意に減少することが証明された.
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