Japanese
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特集 ポスト・ゲノム時代における呼吸器疾患へのアプローチ
呼吸器感染症へのアプローチ
The Approach of Lung Infectious Disease in the Post-genome
権 寧博
1
,
林 伸一
1
,
橋本 修
1
,
清水 一史
2
,
堀江 孝至
1
Yasuhiro Gon
1
,
Shinichi Hayashi
1
,
Shu Hashimoto
1
,
Takashi Horie
2
,
Kazufumi Shimizu
1
1日本大学医学部第一内科
2日本大学医学部微生物学
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
2Department of Immunology and Microbiology, Nihon University School of Medicine
pp.115-120
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902234
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はじめに
21世紀は「ゲノム科学」の時代と言われ,疾患感受性遺伝子の同定や疾病予知のための遺伝子診断法の確立など,その進展が注目されている.ヒトゲノムの全構造の解明が間近となり,研究者の関心はゲノムの構造から機能解析へと移行しつつある.このような生命科学研究の流れのなかで,新たなゲノムテクノロジーが開発され,この技術による情報の集積,さらには医学研究への直接的な応用が具体化されつつある.マイクロアレイ(DNAチップ)技術は,ゲノムシークエンスから,状況的,時間的に変化する転写産物の全体像(トランスクリプトーム)の解析に必要不可欠なツールとなりつつあり,臨床医学に直接応用されつつあるゲノム機能解析技術として臨床診断治療学に大きな革命をもたらすであろうと考えられている.
本稿では,マイクロアレイテクノロジーによる遺伝子発現解析の方法と,将来の感染症研究における可能性について概説する.さらに,われわれがマイクロアレイを用いて行ったインフルエンザ感染による気管支上皮細胞の遺伝子発現の解析結果について解説する.
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