Japanese
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特集 血圧の調節機構を再考する
失神と血圧調節機構の破綻
The Regulation of Blood Pressure in Syncope
山本 真千子
1
,
佐藤 廣
2
Machiko Yamamoto
1
,
Hiroshi Sato
2
1宮城大学看護学部基礎医学系
2心臓血管研究所
1Department of Basic Medicine Miyagi University, School of Nursing
2The Cardiovascular Institute
pp.361-368
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902073
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はじめに
「失神とは一過性意識消失により,筋緊張低下を来し,起立不可能な状態」と定義され,循環器系,神経系,代謝系など多くの原因により引き起こされる.表1にBenditt1)による失神の診断的分類のうち心血管系に原因のあるものを示すが,このうち不整脈や心血管系に器質的疾患を持つ症例における失神発作は突然死につながる危険性があり2),その診断と治療が重要である.これに対し,心血管系以外の原因はなく,心血管系に器質的疾患もない場合の失神発作の多くは神経調節性失神であるという.この失神はこれまで血管迷走神経性失神ともいわれ,諸検査にて原因不明の失神の原因として頻度が高く,一般に予後良好と考えられている2,3).
本稿では,まず循環調節について述べ,テーマである失神と血圧調節機構の破綻について,前述の神経調節性失神を中心に失神発作と自律神経活動について論ずることとする.
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