Japanese
English
特集 血圧の調節機構を再考する
アンジオテンシンIIと血圧調節
Angiotensin II and Blood Pressure Control
篠村 裕之
1
,
中谷 英章
1
,
林 松彦
1
,
猿田 享男
1
Hiroyuki Sasamura
1
,
Hideaki Nakaya
1
,
Matsuhiko Hayashi
1
,
Takao Saruta
1
1慶應義塾大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.355-359
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902072
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Tigerstedtら1)が100年以上前に腎臓から抽出した物質(レニン)が血圧上昇をもたらすことを報告して以来,レニン—アンジオテンシン系が血圧調節に重要な役割を果たすことが明らかにされてきた.例えば,二次性高血圧症の原因としてよく知られている腎血管性高血圧症や原発性アルドステロン症でも,レニン—アンジオテンシン—アルドステロン系の亢進が血圧上昇の主因であることが示されており,レニン—アンジオテンシン系と血圧調節との強い関連を物語っている.
以前からレニン—アンジオテンシン系の抑制薬であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が高血圧症の治療に有効であることが示されており,広く使用されていたが,最近はアンジオテンシン受容体拮抗薬も普及するようになり,アンジオテンシンII(AII)と血圧との関係を理解することが一層重要となっている.
本稿では最近の研究が明らかにしたAIIの新たな側面を中心に,レニン—アンジオテンシン系と血圧の関係を考えていきたい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.