Japanese
English
特集 Angiotensin Converting Enzymeと循環器疾患
高血圧とアンジオテンシン変換酵素
Angiotensin Conberting Enzyme and Hypertension
中元 秀友
1
,
根本 博徳
1
,
鈴木 洋通
1
Hidetomo Nakamoto
1
,
Hironori Nemoto
1
,
Hiromichi Suzuki
1
1埼玉医科大学腎臓病センター
1Kidney Disease Medical Center, Saitama Medical School
pp.487-492
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901250
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はじめに
アンジオテンシン変換酵素(ACE)は1954年にSkeggsら1)により発見された糖蛋白の亜鉛金属酵素であり,アンジオテンシンI(AI)のC末端からジペプチドを加水分解しアンジオテンシンII(AII)を産生する酵素である.ACEはキニン分解酵素であるキニナーゼIIと同一酵素でり2),生体内に広く分布しており,循環調節に重要な役割を担っている.近年,分子生物学的手法の進歩に伴いACE遺伝子には多形性があり,循環器疾患の発症に関与している可能性が報告されている.また,ACE阻害薬は降圧薬の第一選択薬の一つと考えられており,その降圧作用ばかりでなく,心臓,腎臓を中心とした臓器保護作用は注目されている.
本稿では,まずACEと循環器疾患,特に高血圧との関連について述べ,次いで近年高血圧治療の重要な柱となっているACE阻害薬に焦点をあてて述べていく.
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