Japanese
English
特集 呼吸筋不全
呼吸筋と栄養
Respiratory Muscle and Nutritional States
中村 秀範
1
,
高畠 典明
1
,
井上 純人
1
,
佐藤 潤
1
,
荒生 剛
1
,
寺下 京子
1
Hidenori Nakamura
1
,
Noriaki Takabatake
1
,
Sumito Inoue
1
,
Jun Sato
1
,
Tsuyoshi Arao
1
,
Kyoko Terasita
1
1山形大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Yamagata University School of Medicine
pp.257-263
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902057
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はじめに
呼吸筋の筋組織量(mass)とその機能は,他の骨格筋と同様に,その個体の栄養状態に大きく依存している.慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸不全状態の患者においては,説明しがたいcachexiaと呼吸筋機能低下を示す症例をしばしば経験する.COPD患者にとって,栄養状態は独立した予後決定因子の一つであるが,この予後悪化要因の一つとして呼吸筋不全が関与していることが示唆されている.
本稿の前半では,栄養状態,特に低栄養が呼吸筋の筋量(mass)や筋力に及ぼす影響についての最近の知見を中心に概説する.また後半では栄養療法を中心とした呼吸筋力増強をめざした治療法の効果について述べたい.
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