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特集 急性肺傷害の発症因子をめぐって
急性肺傷害の発症におけるプロテアーゼの役割
Role of Proteinases in the Pathogenesis of Acute Lung Injury
石川 哲
1
,
堀江 美正
1
,
飯岡 義教
1
,
中村 秀範
1
Satoshi Ishikawa
1
,
Yoshimasa Horie
1
,
Yoshinori Iioka
1
,
Hidenori Nakamura
1
1聖隷浜松病院呼吸器内科
1Seirei Hamamatsu General Hospital
pp.315-323
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902265
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はじめに
急性肺傷害の発症には,サイトカイン,反応性酸素ラジカル,エンドトキシン,ロイコトリエン,血小板活性化因子など実に多くの炎症性メディエーターが時間的・空間的に複雑に絡み合って関わっている.これらの炎症性メディエーターの中でプロテアーゼは,急性肺傷害の発症に関わる重要な因子の一つである.多様な細胞から様々なプロテアーゼが産生され多彩な機能を発揮しているが(表1),急性肺傷害の発症におけるプロテアーゼの役割に関しては,未だその全貌が明らかにされたわけではない.
本稿では,最も多くの研究がなされ急性肺傷害発症の主役を演じていると考えられている好中球エラスターゼに関する知見を述べ,ついで近年注目されているマトリックスメタロプロテアーゼの急性肺傷害発症への関与について触れたい.
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