Japanese
English
特集 呼吸筋不全
呼吸筋の酸素代謝
Effects of Hypoxia on Respiratory Muscle Metabolism
平田 一人
1
,
栗原 直嗣
2
Kazuto Hirata
1
,
Naotsugu Kurihara
2
1大阪市立大学医学部第一内科
2育和会記念病院
1First Department of Internal Medicine, Osaka City University Medical School
2Ikuwakai Memorial Hospital
pp.249-256
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902056
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はじめに
呼吸筋不全とは,最大吸気筋である横隔膜が種々の病因によって筋疲労となり,その結果として,正常の肺胞換気量を維持するために必要な圧変化を呼吸器系に持続して発生しえない病態である1,2).
筋疲労の臨床的分類は種々の原因により筋の収縮力を発生することができなくなった状態として分類され,筋のエネルギー需要が供給を上回っている状態であると考えられる(表1)3).
病因の一つに低酸素血症が知られているが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患では呼吸筋疲労の多くの病因が存在しているために,低酸素血症時には呼吸筋疲労をさらに増悪させると考えられる.
本稿では,低酸素血症が呼吸筋不全を悪化させる因子であるか,呼吸筋不全は低酸素血症を起こすかについてCOPDを中心に臨床的立場より解説し,運動療法の効果の可能性についても述べることにする.
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