Japanese
English
特集 気管支喘息と気道リモデリング
病理組織像
Histopathological Feature of Airway Remodeling
福田 健
1
Takeshi Fukuda
1
1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
1Department of Allergology, Dokkyo University School of Medicine
pp.1073-1079
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901988
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はじめに
喘息は好酸球浸潤を主体とした気道の慢性炎症性疾患であることが近年明らかになっている.その組織学的特徴は図1に示すように,好酸球,Tリンパ球,肥満細胞,好塩基球,好中球などの炎症細胞浸潤,血管拡張,気道上皮の剥離,粘膜・粘膜下の浮腫,および反復する炎症に起因すると考えられる構造的変化としての上皮杯細胞増殖,粘膜下腺過形成,基底膜肥厚,平滑筋肥大などである1).これらの構造的変化は気道リモデリングと呼ばれ最近注目されている.この気道壁リモデリングによる気道壁肥厚は,β刺激薬吸入に反応しにくい不可逆的な気道閉塞をもたらし,気道過敏性を慢性的に亢進させ,喘息の重症・難治化の一因になると考えられているが,どの程度関与するかについては未だ不明である.また,気道壁リモデリングによる構造的変化が全く不可逆的なものなのか,予防する手だてはあるのかについてもわかっていない.これらの点を解明するためには,まず気道リモデリングとはどのようなものなのかを知る必要があり,本稿では,その組織所見に焦点を絞り概説する.
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