Japanese
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特集 気管支喘息と気道リモデリング
臨床像
Relationship betweerl Airway Wall Thickness and Clinical Data
星野 誠
1
Makoto Hoshino
1
1東邦大学医学部第2内科
1Second Department of Internal Medicine, Toho University School of Medicine
pp.1081-1084
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901989
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はじめに
気管支喘息の定義は以前の「気道の可逆性気管支平滑筋の収縮」から「気道における慢性炎症」と大きく変貌した.さらに炎症が繰り返し起きた結果として気道の基底膜の肥厚(リモデリング)が生じると考えられる.
近年,さらにこのリモデリングが慢性・難治性喘息における不可逆的な気流制限の原因として注目されている.当初光顕で認められた基底膜の肥厚は,Rocheら1)の免疫電顕での検討の結果,実際には真の基底膜は変化がなく,その直下の網状層にコラーゲンI,III,Vおよびフィブロネクチンの沈着とmyofibroblastの増加による細胞外基質(extracellular matrix:ECM)の増大結果であることが判明した2).『喘息管理の国際指針(Global lnitiative for Asthma):GINA』3)の中で述べられているリモデリングには上述した基底膜の肥厚のみならず,気管支上皮細胞の脱落,平滑筋肥大,上皮杯細胞の増加,粘膜下腺増大も含めている.
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