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Current Opinion
冠動脈疾患の治療—カテーテルインターベンション
Catheter Intervention for Coronary Artery Disease
木村 剛
1
Takeshi Kimura
1
1小倉記念病院循環器科
1Division of Cardiology,Kokura Memorial Hospital
pp.939-943
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901965
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バルーンによるPTCAの限界が明らかになり,1990年代に入りステント,DCA,ロータブレーターなど種々のいわゆるニューデバイスの評価が行われてきたが,最近では冠動脈ステントが冠動脈インターベンションの中心的役割を担うに至っている.このステントの使用頻度の増大をもたらした要因としては,その優れた急性冠閉塞の予防・治療効果が挙げられる.ステントの血栓性閉塞の頻度もチクロピジンの使用により0.5%程度に激減することが示された1,2).STRESS試験・BENESTENT試験において,固有冠動脈初回病変に対するPalmaz-Schatzステントの再狭窄予防効果も証明された3,4).さらに米国のFDAの認可を得るための多施設試験で,ACS Multi—linkステント,AVE Microstent-II,NIRステントなどの第2世代のステントがPalmaz—Schatzステントと少なくとも同等の再狭窄予防効果をもつことが示され,ステント留置手技を容易にしている.慢性完全閉塞,静脈グラフト,再狭窄病変,急性心筋梗塞などの病変でも,バルーンPTCAに比し,ステントの有効性が示されてきた5〜8).さらに経橈骨動脈アプローチを用いた患者侵襲低減の試みや左主幹部疾患への適応拡大も試みられている9,10).
一方,こうしたステントの使用頻度の増加は難治性ステント再狭窄という新たな臨床的問題をもたらした.これについては後述する.
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