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Drug-Eluting Stentをめぐる最近1年間の話題
冠動脈インターベンション(percutaneouscoronary intervention:PCI)は近年飛躍的に進歩を遂げ,虚血性心疾患の治療に重要な役割を果たしている.特にわが国では欧米諸外国に比べバイパス手術に対するインターベンションの比率は約6:1と非常に高い傾向にある.なかでもステント治療は高度な技術を要さず,BENESTENT試験1)やSTRESS試験2)などでも証明されているように,急性閉塞や再狭窄の頻度をバルーン治療単独に比べ有意に減少させたことから,現在冠動脈インターベンション治療の中心となっている.しかしながら,ステント治療においても約20~40%の確率で再狭窄が生じていたのが現状で,再狭窄の克服がインターベンション治療における大きなテーマであった.これまでにもトラニラストによる11,500例を対象にしたPRESTO試験3)や,DCAやRotational atherectomyの有効性を評価するDESIRE試験4)やSPORTS試験が行われたが,いずれにおいても有効な結果は示されなかった.
また,ステント内再狭窄の治療としてRotational atherectomyによるARTIST試験5)やカッティングバルーンによるRESCUT試験6)でも有効性は認められなかった.1994年にCondadoら7)によって試みられた冠動脈内放射線療法は,欧米では唯一ステント内再狭窄に対してエビデンスが確立した治療法で,米国では2002年に保険適用とされた.わが国でも期待されていたが,煩雑な手技や放射線管理の問題および治療した部位の前後に狭窄が生じるedge effectや治療後1カ月以上経過して5~10%に生じるlate thrombosisなどの問題点もあり,わが国ではいまだに保険償還されていない.
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