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Current Opinion
特発性間質性肺炎の治療
Treatment of Idiopathic Internal Pneumonia
菅 守隆
1
Moritaka Suga
1
1熊本大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine,Kumamoto University School of Medicine
pp.933-937
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901964
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特発性肺線維症の治療をめぐる最近1年間の話題
特発性肺線維症(IPF),すなわち特発性間質性肺炎(IIP)の慢性型の原因は不明であるが,その病態には炎症性免疫性機序が深く関与していると考えられ,これがIPFの治療にこれまでステロイドおよび免疫抑制剤が使用されてきた根拠となっている.IPFは何らかの原因により肺胞隔壁を中心とした炎症が生じ,肺胞上皮・毛細血管内皮・基底膜が傷害され,さらに線維芽細胞の増加により肺胞腔内の結合織線維は肺胞壁に取り込まれて肥厚・線維化し,新たな気腔面を再生した化生上皮が被覆して線維化が進行する(リモデリング=肺の基本構造の改築).したがって,IPFの治療はこれらの胞隔炎と線維化の制御がその是非を決定する.
胞隔炎,すなわち肺傷害の機序としてエフェクター分子としての活性酸素・窒素とその中間産物1),蛋白分解酵素2)およびサイトカインネットワークの役割が徐々に明らかになっている.これらの病態からIPFの治療に抗サイトカイン療法や抗酸化剤や抗エラスターゼによる治療研究が,また線維化の制御に新しい抗線維化剤の研究が進んでいる.
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