Japanese
English
特集 肺結核臨床の現場から
肺結核患者を発見したら直ちに行うこと
General Rule When a Pulmonary Tuberculosis Patient is Detected
山岸 文雄
1
Fumio Yamagishi
1
1国立療養所千葉東病院呼吸器科
1Department of Respiratory. Chiba-higashi National Hospital
pp.675-680
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901926
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はじめに
1997年は新登録結核患者が38年ぶりに,また結核罹患率も43年ぶりに増加した.その増加分はわずかであり,今後も増加するのか今回の増加は一過性のものなのかは,これからの推移を見なければなんともいえない.しかし,結核の減少速度の鈍化が著しいと以前から指摘されていたものが,増加に転じたのは医療従事者を初めとして一般国民にも大きな衝撃を与えた.
また,最近は医療機関や老人福祉施設での集団感染事件,多剤耐性菌による若い医療従事者の死亡など,結核医療をめぐる様々な問題が注目を集めている.そのなかで結核の診断の遅れを短縮することが,院内感染防止を含め,結核感染防止のために最も重要であるとの報告もある.
肺結核患者を発見した時,適切な対応をすることにより,結核感染が更に広がることを防ぐことが可能となる.また,患者個人にとっても最良の方法がとれるように,主治医は患者と相談し決定しなくてはならない.結核症は一般の呼吸器感染症とは著しく異なるいくつかの特徴がある.そこで,その特徴について説明し,その後“肺結核患者を発見したら直ちに行うこと”の解説を行いたい.
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