Japanese
English
特集 肺結核臨床の現場から
肺結核症の既往歴と再燃
Past History and Reactivation for Pulmonary Tuberculosis
青柳 昭雄
1
Teruo Aoyagi
1
1国立療養所東埼玉病院
1National Higashisaitama Hospital
pp.681-687
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901927
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はじめに
結核用語辞典によれば、再燃と自然経過か,あるいは化学療法の下にいったんは安定化し不活動性になった病巣が,種々の期間の後なんらかの誘因の下に再び活動性になることと記載されている1).
高齢者の集団検診のX線フィルムをみると,石灰化あるいは線維性の硬化巣,高度の胸膜癒着像など,結核の自然治癒した所見が数%から10%にみられ,これら安定たた所見を有するものからの発症は高率であることはよく知られている2).
肺結核症の既往歴と再燃を論ずるには,発症前に抗結核薬治療が行われているか否か別に検討することとなる.
したがって本稿では,既往に化療なし例では胸部X線写真にて治癒病変のある人からの発症のリスクとその要因,化療あり例ではRFP(R,リファンピシン)登場前と以降別に再発の頻度,要因,治療失敗による慢性排菌者の現状,予後などについて概説する.
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