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特集② 今また結核を見直す
結核総論—わが国の現状と問題点
The present status and problems of tuberculosis in Japan
山岸 文雄
1
Fumio Yamagishi
1
1国立病院機構千葉東病院
pp.718-723
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200706
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Point
●2013年の結核罹患率は人口10万対16.1と欧米先進国の数倍であり,依然として結核中まん延国といわれている。
●結核患者の高齢化が著明であり,70歳以上の患者が57%,80歳以上の患者が36%を占め,80歳以上の罹患率は79.5と高い。
●最近の結核発病は,喀痰塗抹結核患者と接触した既感染者,免疫抑制宿主,健康管理の機会に恵まれない者などの,ハイリスク集団に集中する傾向がある。
●最近の結核集団感染事例は事業所が最も多く,次いで家族・友人,医療機関など,学校の順である。
●新規発生結核患者に占める外国人の割合は20代で特に顕著である。国籍では中国,フィリピン,韓国・北朝鮮の順であり,治療中断や薬剤耐性など,問題点が多い。
●今後,結核病床の確保,および結核診療にあたる医師の確保は重要な課題である。
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