Japanese
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特集 肺癌—診断と治療の最前線
肺癌の遺伝子診断
Molecular Diagnosis of Lung Cancer
光冨 徹哉
1
Tetsuya Mitsdomi
1
1愛知県がんセンター胸部外科
1Department of Thoracic Surgery, Aichi Cancer Center
pp.325-332
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901873
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はじめに
現在日本では、肺癌によつて毎年45,000人以上の人が亡くなり,癌死亡の第一位となろうとしている.たかしながら,ここ10年で肺癌の診療上の大きなインパクトは残念ながらなく,肺癌と診断された人のうちの助かる人の割合は大きく変わっていない.一方で,最近約20年での癌の基礎研究の進歩は著しく,癌を遺伝子や蛋白の機能の異常としてとらえることが可能となってきた.このような基礎の知見が,肺癌の臨床へいかに還元できるのか,究極的にはいかに癌の死亡率の減少につながるのか,診断面の応用を中心に現況をまとめてみたい.
一般に癌の遺伝子診断の応用には,①癌の感受性診断,遺伝性の癌の発症前診断,②微量癌細胞を遺伝子異常を指標として微量な癌細胞を検出することによる早期診断,ステージングへの応用,③悪性度診断などの癌の個性の診断への応用などが考えられる(表1).
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