Japanese
English
Bedside Teaching
喫煙対策の現状
Present Status of Tobacco Control Measures
川根 博司
1
Hiroshi Kawane
1
1川崎医科大学呼吸器内科
1Division of Respiratory Diseases, Department of Medicine, Kawasaki Medical School
pp.1091-1096
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901588
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はじめに
世界保健機関(WHO)は発足40周年を記念して,1988年4月7日を世界禁煙デーとした.1989年からは毎年5月31日を世界禁煙デー(World No Tobacco Day)と定め,各年ごとに特定のスローガンを掲げて,世界的な喫煙対策の推進を呼びかけてきた.1997年の世界禁煙デーの標語は「手をつなごう!タバコのない世界をめざして」であったが,WHOは報道機関に向けて,タバコ製品のために毎年300万人が命を落としていると発表した.つまり,タバコによって世界中で10秒間に1人が死亡していることになる.このままだと,死者数が20〜30年後には毎年1000万人に達すると予測されており,喫煙という世界的な流行病(tobacco epidemic)に対して,強力かつ迅速な行動を起こすことが求められている.
ここでは,まず喫煙対策の歴史について触れ,次いでわが国の喫煙対策の現状を述べてみたい.
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