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特集 循環器の大規模臨床研究—臨床治験を見直す
日本臨床薬理学会の臨床治験への取り組み
A Role of JSCPT on the Clinical Trials for New Drug Development
小林 真一
1
Shin-ichi Kobayashi
1
1聖マリアンナ医科大学薬理学
1Department of Pharmacology, St.Marianna University School of Medicine
pp.1057-1062
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901582
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1997年3月末に厚生省令「医薬品の臨床試験の実施の基準」(新GCP)が厚生省薬務局より通知され,わが国の新薬開発に係わる臨床試験の基準が新たに示された.この新GCPは数年前から行われていた日本,欧州,米国など世界で新薬を開発する能力のある上記3局での新薬開発に関する基準のハーモナイゼイション(ICH)の結果の一つであり,優れた新薬を世界中の患者さんに迅速に供給するためには,各国ばらばらな基準で臨床試験を実施していては薬効評価の均一性,臨床試験の質的適正さが保証されない.そこで3局で基準の統一を図った結果が新GCPである.
わが国の「治験」の歴史を思い起こしてみると,多くの医学分野で治験に係わる研究は価値を低くみられ,治験に係わる医師は治験を医学研究として捉えようとせず,その科学性・倫理性も十分に考えられてこなかったことを考えると,このような欧米の基準をそのまま受け入れた場合,わが国の行政をはじめ製薬企業,医療機関などで,混乱が起こることは当然と言わざるを得ない.
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