Topics Respiration & Circulation
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する呼吸リハビリテーションの有効性をめぐって
赤柴 恒人
1
1日本大学医学部第一内科
pp.1039-1040
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901578
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■最近の動向 進行したCOPD患者の予後を改善する有効な治療法は,今のところ長期酸素療法(LOT)のみである.これまでLOT以外の多くの治療法が試みられてきた.特に近年,肺気腫に対する外科療法(volume reduction surgery:VRS)が注目され急速に広がりつつあるが,予後を改善するか否かについては,今後の検討を待たねばならない.一方,保存的治療法には,VRSのような有望な治療法がないのが実状であるが,運動療法を中心とした呼吸リハビリテーション(リハビリ)は,欧米において活発に行われ,患者のQOLを改善しうるとされており,わが国でもいくつかの施設で積極的に行われている.しかし,治療の有効性を,LOTのように,予後の改善としてのみみるならば,これまでのところ,呼吸リハビリが有効であるとする証拠はない.呼吸リハビリは,あくまで患者の苦痛を軽減させ,QOLを改善させることを目的としているが,最近,Am J Respir Crit Care Med誌に,呼吸リハビリに対するPro & Conが掲載されており,米国においても,必ずしも呼吸リハビリが全面的に支持されているわけではない現状が垣間みられる.
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