特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第1章 呼吸器
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
柴田 陽光
1
1福島県立医科大学医学部呼吸器内科
pp.516-518
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_516
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慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は日本呼吸器学会「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」において「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生ずる肺疾患であり,呼吸機能検査で気流閉塞を示す.気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に関与し起こる.臨床的には徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳,痰を示すが,これらの症状に乏しいこともある」と定義されている1).COPDにおける呼吸機能的病態の中心は,呼気気流閉塞である.気流閉塞の成因としては,① 末梢気道抵抗の増加,② 肺胞の弾性収縮力の低下,③ 末梢気道の呼気時の虚脱などが複雑に関与していると考えられている.
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