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Bedside Teaching
ツ反陰性者と陽性者への対応
How to Deal with the Result of Tuberculin Skin Test
長尾 啓一
1
Keiichi Nagao
1
1千葉大学保健管理センター
1Health Sciences Center, Chiba University
pp.995-1000
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901570
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はじめに
ツベルクリンはもともと結核菌の培養濾液である.当初,結核菌の発見者コッホは,このツベルクリン液を使って治療を試みたが効果が得られなかった.しかし,その過程でのデータはツベルクリンが“結核の診断”に有用であることを示唆し,その後,“結核症の診断”よりも“結核感染の診断”に有用であることが判明してきた.その後,1926年にサイバートはコッホが使ったツベルクリン液から皮膚反応を起こす有効成分だけを抽出し,Purified Protein Derivative(PPD)と命名した.わが国では1968年に,旧ツベルクリンからPPDに切り替えられ,今日,ツベルクリンといえばいかなる国でもPPDすなわち精製ツベルクリンを指す.
この精製ツベルクリン液,PPDを用いたツベルクリン皮内反応検査(以下,ツ反と略)は結核予防法に基づく検診または一般診療のなかで施行されるポピュラーな検査であるが,その判定,解釈,検査後の措置については必ずしも十分に理解されていないきらいがある.そして,1994年,結核予防法施行規則が一部改訂された結果,医療現場ではツ反後の対応で若干の混乱がみられている.
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