Japanese
English
特集 Volume Reduotion Surgery(VRS)
VRSでなぜ肺機能が改善するのか
Why VRS Improves Pulmonary Function?
黒澤 一
1
,
飛田 渉
1
,
黒川 良望
2
,
白土 邦男
1
Hajime Kurosawa
1
,
Wataru Hida
1
,
Yoshimochi Kurokawa
2
,
Kunio Shirato
1
1東北大学医学部第一内科
2東北大学医学部第二外科
1First Department of Internal Medicine, Tohoku University School of Medicine
2Department of Surgery Ⅱ, Tohoku University School of Medicine
pp.855-860
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901547
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はじめに
1991年から1995年にかけて,Wakabayashiら1)とCooperら2)がVolume Reduction Sur—gery(VRS)を相次いで発表した時,多くはその治療効果に期待したが,治療自体に疑問をなげかける研究者や臨床家も少なくなかった.従来,移植以外の肺気腫の治療には明らかな限界があり,にわかには信じ難かったというのも当然であった.その後,過熱ともいえるようなVRSに関する検討を経て,現在では,VRSはおおむね有意義な治療法であるとの認識が浸透してきた.しかしながら,一部の患者は術後に有意な改善が認められずむしろ悪化しており,適切な手術適応基準,手術手技および周術期の管理の向上,測定可能な効果判定指標の設定の必要性,さらに長期的な予後の検討の重要性が強調されるようになった3〜5).これらの諸問題を検討する上で肺機能検査は不可欠である.
本稿では,VRSによりなぜ肺機能が改善するのか,また,なぜ一部の肺機能は改善しないのかなどの機序を自験例を織り交ぜながら概説する.
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