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特集 僧帽弁弁膜症治療の現況
PTMCの普及は僧帽弁狭窄症の治療適応を変えたか
Has the Spread of PTMC (percutaneous transvenous mitral commissurotolmy) Changed the Indication of Treatment for the Patients with Mitral Stenosis?
阿部 純久
1
,
半田 俊之介
1
Sumihisa Abe
1
,
Shunnosuke Handa
1
1東海大学医学部内科学1
1Department of Internal Medicine I, School of Medicine, Tokai University
pp.429-435
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901470
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PTMC(percutaneous transvenous mitralcommissurotomy,経皮的経静脈的僧帽弁交連裂開術)とは,僧帽弁狭窄症(MS)患者に対し図11)のように大腿静脈より進めたバルーンカテーテルを経心房中隔的に左房内に進め,さらに狭窄した僧帽弁口を通り左室まで進めた後に,バルーンを拡張させることで,癒着した僧帽弁交連部を裂開し,僧帽弁狭窄の程度を軽減させる治療法である.PTMCはInoueが1984年に初めて報告2)したが,それにやや遅れてLockら3)のlong bal—loon(single balloon,double balloon)を用いる方法(図2)や,左室から左房へretrogradeにバルーンを挿入する方法4)などが開発され施行されてきた.PTMCと同様にバルーンを用いるPTCA(percutaneous transluminal coronary angio—plasty)は当時すでに急速に世界中に広まりつつあったが,井上は全く独自にこの方法を研究開発した5).しかし,国内ではリウマチ熱の患者が減少していたこともあってか,あまり大きな注目を浴びることもなかったのに対し,アジアの開発途上国などをはじめ,むしろ海外で大きく注目されることとなった.
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