僧帽弁狭窄症のMyocardial factorに対する疑問

A review of so-called myocardial factor in mitral stenosis

　Myocardial factor （心筋因子）とは，リウマチ性僧帽弁狭窄症において，弁口での血流に対する機械的閉塞（Mechanical factor）に対応して，これと併存する一次的心筋障害が左室に機能異常を生じることを想定した術語で，1955, R．M．Harvey, I．Ferrer, P．Samet, R．A．，　M．E．Bader, A．Cournand, D．W．Richards，らにより提唱された^1）。ここではその原点に戻って彼らが根拠とした因子を再検討し，さらにその延長線上において，左室機能について若干の知見を述べ，左室右室の直接的関連についても言及する。