Japanese
English
特集 呼吸困難の病態と対策
呼吸困難の定量的評価と生理機能
Assessment of Dyspnea and Physiological Facturs Affecting Dyspnea
飛田 渉
1
Wataru Hida
1
1東北大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Tohoku University School of Medicine
pp.245-251
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901435
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はじめに
呼吸困難は呼吸器疾患の主な臨床症状の一つである.筆者らの検討によると,当科における外来受診した呼吸器患者の三大疾患は肺気腫,慢性気管支炎および気管支喘息で,うち呼吸困難を訴えた症例は肺気腫で89%,慢性気管支炎で74%,気管支喘息で54%であった1).このように,呼吸器疾患,特に肺気腫の大部分は呼吸困難を訴えて来院する.この際,患者は呼吸困難とは表現せず,①息苦しい,②息がつまりそうだ,③空気が足りない,④空気が入らない,⑤胸が圧迫されるなど種々の表現形式をとる.ときには狭心症様の痛みを訴えることもある.このような呼吸に伴った不快な感覚を一括して呼吸困難と言っている.
本稿では呼吸困難の定量的評価と呼吸困難に及ぼす呼吸生理学的因子を中心に述べる.
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