巻頭言
子供が医者をしては困る
平盛 勝彦
1
1岩手医科大学第二内科
pp.449
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901244
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「子供が医者をしては困る」というのは,医学生向けのコピーです.行うことは自ら選択し,その結果への責任も自らのものとするのが大人であり,医者はそうでなければならないと話しています.わが心臓病専門医にも同じコピーが使えるぞと,ひょっと思って,本文のタイトルにしました.
昨年12月の日本冠疾患学会で,トータライザーを使って,聴衆参加のパネルディスカッションを行いました.その設問の一つに,「薬物治療により日常生活で狭心症発作のない左前下行枝6番の実測75%の一枝病変例の治療をどうするか」というのがありました.「薬物治療続行がよい」と答えた人が43%,「PTCAを行うのがよい」が56%でした.参加者は195人で,循環器内科医125人,心臓外科医69人,その他1人で,40歳以下の人が47%でした.PTCA信奉者密度が世界一であろうと思われる日本心血管介入学会に比べると,やや落ち着いた人たちが多い学会の会員の意見です.その過半数がPTCAを行うとしたのに驚きました.
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