講座
寒さと子供
皆川 和
1
1東大
pp.28-31
発行日 1956年1月10日
Published Date 1956/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201094
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(1)いとぐち
秋の10月,11月は春の5月頃と共に最も病気の少い頃であるが,これは人体に対して気温が最も適した時期であり,人の健康は気温に最も強く影響を受けている為である.12月に入ると俄然かぜひき,インフルエンザ,気管支炎,肺炎等が急増すると共に百日咳,ヂフテリア,麻疹等の伝染病も急増して来る,これ等の疾病を防ぐことは,健康の上にも又経済の上にも重要な事であるのは勿論である.
以上の感染性の疾患ばかりでなく寒さは人々に対して直接に物理的に作用して色々の異常状態を起すものである.特に寒さに対する注意の経験の浅い子供或はこれに対して殆ど無抵抗の乳幼児においては保護者である親によつてこの影響を防いで行かなければならない.
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