Japanese
English
特集 呼吸循環領域の運動負荷
運動負荷とlimiting factor
Exercise Torelance and Limiting Factor
藤本 繁夫
1
,
平田 一人
2
,
栗原 直嗣
2
Shigeo Fujimoto
1
,
Kazuto Hirata
2
,
Naotsugu Kurihara
2
1大阪市立大学保健体育科研究室
2大阪市立大学医学部第一内科
1Osaka City University, Department of Health Science and Physical Education
2Department of Internal Medicine I, School of Medicine, Osaka City University
pp.345-351
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901228
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はじめに
ヒトは肺から酸素を取り込み,心循環系により活動筋肉内のミトコンドリアまで酸素を輸送し,そこで脂肪酸と糖を燃焼してエネルギーであるATPを産生する.安静時でも生命活動に必要な基礎代謝を行うために約250ml/分の酸素を取り込んでいる.運動時では,呼吸・循環・代謝系の活動が亢進して,筋肉活動に必要な酸素を取り込んで,運動に必要なエネルギーが作られる1).さらに運動負荷量が増し,この1つのいずれかの機能が限界に達してくると,他の2つの機能に余力があっても,息苦しさ,動悸,胸痛や下肢の疲労感などを訴えて運動をやめる.この運動中断に至る要因を運動制限因子(limiting factor)として理解し,これを解析することにより病気の診断,治療,リハビリテーションなどに利用することが臨床上大切である.
本稿では運動負荷検査による制限因子の解析方法について述べ,健常人および心・肺疾患患者の運動limiting factorについて解説を加える.
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