Japanese
English
綜説
PTCA後再狭窄予防に対する分子生物学的アプローチ
Molecular Biological Approach to the Prevention of Restenosis after Coronary Angioplasty
福田 恵一
1
Keiichi Fukuda
1
1慶應義塾大学医学部内科呼吸循環器科
1Cardiopulmonary Division, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
pp.961-971
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901127
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はじめに
近年のめざましい分子生物学,遺伝子工学の進歩により多くの遺伝病の原因遺伝子が単離・同定され,病態の分子機構が明らかとなってきた.そしてその分子機構が明らかになるにつれ,これを応用し従来は治療困難であった疾患に対し遺伝子治療という新しい治療法を可能とした1).現在遺伝子治療は先天性遺伝病などの遺伝子欠損による疾患2〜5)にとどまらず,悪性腫瘍6〜8),後天性免疫不全症候群9)(AIDS)などの後天性疾患にも有用であることが示され,米国ではすでに臨床試験が開始されている.循環器病領域においても虚血性心疾患への遺伝子治療が注目をあび,冠動脈疾患,特に血管拡張術後の再狭窄に対する遺伝子治療が試みられている.
本稿では冠動脈疾患への遺伝子治療の現状を紹介するとともに臨床応用への展望を述べる.
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