Japanese
English
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
脳への分子生物学的アプローチ
Molecular approach to the brain
森 憲作
1
,
岡 昌吾
2
Kensaku Mori
1
,
Shogo Oka
2
1大阪バイオサイエンス研究所神経科学部門
2塩野義製薬研究所
pp.95-100
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905245
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「個々のニューロンの素子としての働きを,そしてニューロン間相互の結合様式を分析し,このレベルでの知識をもとにして,いくつかのニューロンの作る回路の働きを,さらに多くの回路をサブシステムとする大きな系の働きを再現すべく総合していこうとする方向………」(ニューロンの生理学1))。
この「ニューロンから脳へ」2)という理解の方向は,今世紀後半の多くの脳研究者がめざしている方向である。実際,ニューロン(細胞)レベルでの知識をもとにして,複雑な内部構造を有する脳の機能を解明しようとするアプローチは,脳の各部における機能が,多種類に分化したニューロン間の正確な連絡(配線)に基づいていることなどの基本的な知識をもたらし,この方向での脳研究は,徐々にではあるが満実な進歩をとげている。
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