Japanese
English
綜説
肺性心評価における心エコー
Echocardiography for Assessment of Cor Pulmonale
合田 晶
1
,
宮本 顕二
2
,
川上 義和
2
Akira Aida
1
,
Kenji Miyamoto
2
,
Yoshikazu Kawakami
2
1国家公務員等共済組合連合会幌南病院内科
2北海道大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine, Kohnan Hospital, Federation of National Public Service and Affiliated Personnel Mutual Aid Associations
2First Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.952-959
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901126
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はじめに
肺性心または肺高血圧症の合併は慢性呼吸器疾患の重要な予後規定因子の一つである.肺高血圧症の最も信頼できる診断法は右心カテーテル検査で直接肺動脈圧を測定する方法であるが,侵襲的な方法であり,一人の患者に繰り返し施行することは困難である.非侵襲的な肺高血圧症の診断法としては,胸部X線写真と心電図が最も一般的であるが,感度や定量性に問題があり,これのみで十分とはいえない.核医学診断法やMRI,高速CTも非侵襲的な肺高血圧症の診断法として有用であるが,ベッドサイドで繰り返し施行が容易という点では心エコー法が最も有利であり,今日では頻用されるに至っている.従来,慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心にした呼吸器疾患患者では肺の過膨脹のため,胸骨左縁走査による心エコー法は困難とされてきたが,機器の進歩に伴い,これらの患者でも臨床的に十分な評価が可能になった.心エコー法にはMモード,断層法,ドプラー法があり,このうち肺性心の評価に用いる方法としてはドプラー法の有用性が最も高い.
本稿ではドプラー法を中心にして心エコー法による肺性心評価について概説する.
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