今月の主題 今日の心不全診療
基礎疾患による治療法の選択
肺性心
半田 俊之介
1
1慶応義塾大学医学部呼吸循環科
pp.660-661
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221632
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肺性心の概念は,呼吸器系の異常による心障害である.慢性的な呼吸器疾患は,程度の差こそあれ時間経過とともに右心負荷を生じ,右室に肥大拡張など代償変化を起こす.代償機転の破綻が心不全である.急性気道感染などを引き金に右心負荷が増悪し,急速に心不全を発症することもある.いずれにせよ,心不全は肺性心の終末像である.心不全を生ずると,予後は数年以内とされる.
心不全の特徴は,呼吸器疾患の種類により右心負荷の様相が著しく異なることである.原因である肺循環の異常,結果としての右心機能障害両者に配慮する.
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