Japanese
English
特集 NO(一酸化窒素)
NO吸入とその問題点
Problem of Inhalation of Nitric Oxide
辻野 一三
1
,
宮本 顕二
1
,
川上 義和
1
Ichiro Tsujino
1
,
Kenji Miyamoto
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1First Department of Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.865-869
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900922
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はじめに
内皮由来血管拡張物質(endothelium-derived relaxing factor:EDRF)である一酸化窒素(NO)の吸入はその肺血管拡張作用により肺動脈圧の低下や動脈血酸素分圧の上昇をもたらすことが知られ1),原発性肺高血圧症,成人呼吸促迫症候群(ARDS)や新生児持続性肺高血圧症に対する治療手段として臨床応用が試みられている1〜3).また,最近は鼻腔内で高濃度のNOが産生され,このNOの自己吸入が換気血流比の調節に関与している可能性も報告されている4).
一方,NOは非常に不安定なガスであり,空気中の酸素と速やかに反応し毒性の高いNO2が発生する.NOとNO2は一定の条件下で肺障害を起こすことも知られており,NOの投与には十分な注意が必要である.
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