Japanese
English
特集 在宅酸素療法—最近の進歩
組織酸素化における病態と対策
Pathophysiology of Tissue Hypoxia
宮本 顕二
1
,
川上 義和
1
Kenji Miyamoto
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine Ⅰ, Hokkaido University School of Medicine
pp.437-444
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900860
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はじめに
在宅酸素療法は慢性呼吸不全患者の予後を改善させることが英国MRC1),アメリカNOTTグループ2)およびわが国における厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班による全国調査3)で明らかにされている.また,予後のみならず,患者のQOLを向上させる4).しかし,酸素療法がどのような機序で生命予後を改善し,QOLを向上させるかについてはいまだ明らかにされていない.酸素療法の目的はただ単にPaO2を上昇させるのではなく,低酸素状態に陥った組織,究極的には細胞内ミトコンドリアへ酸素を供給し,細胞の酸素消費を維持することである.本論では低酸素状態における組織の病態とその対策を解説する.
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