Japanese
English
解説
睡眠時呼吸障害に関連した循環器障害
Cardiovascular Abnormalities due to Sleep Breathing Disorders
田代 哲男
1,2
Tetsuo Tashiro
1,2
1秋田回生会病院
2秋田大学医学部精神科神経科
1Akita-Kaiseikai Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Akita University School of Medicine
pp.763-770
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900908
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はじめに
人間は一生涯の約1/3の時間を眠って過ごしており,健康の維持にとって睡眠は重要な役割を担っていると考えられてきた.しかし,何らかの睡眠障害がみられる場合に,それがどのような身体的障害をもたらすのかについては,長い間あまり関心が払われてこなかった.循環器疾患の病態生理に関しても,日中の覚醒時の研究がほとんどであり,睡眠障害が循環器疾患に及ぼす影響についてもごく一部の睡眠学者が指摘していたにすぎなかった.
しかし,最近では,日常生活中の24時間にわたって心電図や血圧を簡便に計測できるホルター心電計やコーリン社製・自動血圧測定器(ABPM−630)などが使用されるようになったので,睡眠中の循環動態への関心が高まってきた.同時に,睡眠時無呼吸症候群が日中にも及ぶ循環器障害を引き起こすことや,この症候群がそれほど稀ではないことが知られるようになったことより,睡眠時呼吸障害と循環器障害との関係が注目を浴びるようになってきた.
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