Japanese
English
Bedside Teaching
慢性心房細動における血栓・塞栓予防法
Stroke Prevention in Nonvalvular Atrial Fibrillation
森安 秀樹
1
,
山口 武典
1
Hideki Moriyasu
1
,
Takenori Yamaguchi
1
1国立循環器病センター内科脳血管部門
1Cerebrovascular Division, Department of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.771-775
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900909
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はじめに
心原性脳塞栓症の原因疾患としては,以前はリウマチ性弁膜症(特に心房細動を合併した狭窄症)の頻度が高かった.しかし,リウマチ性弁膜症の減少と高齢者の増加に伴い非弁膜症性の心房細動(nonvalvular atrial fibrillation以下NVAF,ほぼ同意語としてnonrheumatic atrial fibrilla-tion)による塞栓症の占める割合が増加し1),NVAFの管理が重要な問題となっている.このため本稿のタイトルは,「慢性心房細動による血栓・塞栓予防法」であるが,ここでは心房細動でもNVAFに,塞栓症としては脳塞栓症予防に限定して話を進める.
NVAFが原因となる脳塞栓症の一次予防に抗凝血薬療法が有効であることは以前より示唆されていたが,最初の大規模なprospective studyは,コペンハーゲンで行われた研究である2).その後同様の結果が米国からも報告され3),さらに低用量の抗凝血薬の投与(プロトロンビン時間延長を控えめにコントロールする)でも,塞栓症の予防に有効でかつ出血性合併症も少ないことが報告された4,5).
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