Japanese
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特集 急性肺障害—薬物治療の可能性
ARDS治療薬としての抗酸化剤
Pharmacotherapeutic Aspects of Antioxidants in ARDS
谷垣 俊守
1
,
太田 保世
1
Toshimori Tanigaki
1
,
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部第二内科
1Department of Internal Medicine Ⅱ, School of Medicine, Tokai University
pp.3-9
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900791
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はじめに
1967年,Ashbaughらが最初にadult respira-tory distress syndrome(ARDS)を報告して以来25年以上が経過している.しかしながら,治療法は今なお対症的で,死亡率は依然として60%以上である.
最近ARDSは,肺傷害(lung injury)の重症例という概念で捉えられており1),種々の実験で肺傷害の発生機序に関する多くの知見が得られてきた.なかでも,主に活性化した好中球が産生する活性酸素(reactive oxygen species)は,その作用機序に大きく関与していることが認められている2).動物実験レベルで数多くの抗酸化剤による肺傷害抑制例が報告されており,抗酸化剤はARDSの臨床治療薬の有力候補のひとつと考えられている.
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