Japanese
English
装置と方法
血管内超音波
Intravascular Ultrasound
羽田 勝征
1
Yoshiyuki Hada
1
1JR東京総合病院循環器内科
1Department of Cardiology, JR Tokyo General Hospital
pp.975-980
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900749
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今日,冠動脈病変の診断と評価に血管造影は不可欠の検査でgold standardとなっている.しかし,本法は造影剤で満たされた内腔のシルエット像であり,狭窄の原因である内膜肥厚やプラク(plaque)を直接観察したものではない.また,狭窄の定量化は隣接した血管径に対する%表示であり,誤差の生じやすい要因となっている.
超音波検査法はこの20年,急速な進歩を遂げてきた画像診断法の一つである.本装置はピエソ素子から発振された超音波の反射波を利用して二次元の断層をリアルタイムで観察するものである.心血管構造の形態と動態を非侵襲的にとらえるには最適の方法としてテクノロジーの進歩とともに発達してきた循環器検査法である.今日のcoronary interventionの普及により,血管内超音波の需要はさらに高まりつつある.体表面で用いられるプローブは数cmの大きさであるが,血管内で用いる探触子は徐々に小さくなり,現在3.5F(1.17mm)径のカテ先に装置されたものである.やや大きい径のものは心腔,大血管内の観察に用いられ,経胸壁,経食道アプローチにては得られない弁動態や心房中隔の描出がより鮮明に得られている.使用する周波数は血管内では20〜30MHzが多いが,20MHzではaxialの分解能は200μm,lateralで500μmである.周波数が高いほど分解能はよくなるが,超音波の到達度は悪くなるのが原則である.
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