今月の主題 臨床検査の新技術
生体検査
血管内エコー法
松尾 裕英
1
,
水重 克文
1
,
森田 久樹
1
,
鷹野 譲
1
Hirohide MATSUO
1
,
Katsufumi MIZUSHIGE
1
,
Hisaki MORITA
1
,
Yuzuru TAKANO
1
1香川医科大学第二内科学教室
キーワード:
血管内エコー法
,
高周波超音波
,
動脈硬化
,
組織性状
,
血管弾性
Keyword:
血管内エコー法
,
高周波超音波
,
動脈硬化
,
組織性状
,
血管弾性
pp.604-609
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900614
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血管内エコー法とは,カテーテルの先端に細小な超音波振動子を装着し,これを走査することから血管エコー像を血管内から描出する方法である.これによって,血管壁の組織学的情報を得ることや,血管壁厚,血管径などの血管形状の正確な計測が可能となった.
まず,エコー像と組織像とを対比して,①正常動脈では内膜面が高輝度,中膜が低輝度,外膜が高輝度に描出されること,②動脈硬化病巣では弾性線維,膠原線維の量,配列の仕方,コレステリンおよび石灰沈着の仕方などによって,エコー像が異なることなどを示した.これらにより,エコー像の観察によって血管壁の組織像を推定することが可能であると考えられた.
さらに,血管内エコー像から血管形状を正確に計測し,血圧との同時計測によって動脈壁張力―周囲長関係など,血管の物理的特性の評価も可能であることも示した.
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