Japanese
English
綜説
有機粉塵と肺疾患
Organic Dusts and Lung Diseases
安藤 正幸
1
Masayuki Ando
1
1熊本大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine Ⅰ, Kumamoto University School of Medicine
pp.521-530
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900677
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はじめに
呼吸器系は皮膚や消化器と同様に外界に直接接しているうえに,その本来の機能である呼吸に際して大気中に含まれる多種多様な異物の侵入に常時さらされている.そのために呼吸器系には他の臓器とは異なった肺固有の特殊な防御機構が備わっている.しかし,異物による刺激が非常に強かったり,またなんらかの原因でこの防御機構に破綻が生じると種々の肺疾患が惹起される1).我々の生活環境に存在する有機粉塵も肺に侵入する異物の1つであり,これによる多くの肺疾患が報告されている.
本稿では,まず有機粉塵の種類とそれによる肺障害の機序について述べ,ついで種々の肺疾患,とくに最近話題のorganic dust toxic syndrome(ODTS),過敏性肺炎,sick house syndromeを中心に概説する.
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