トピックス 環境と耳鼻咽喉科
粉塵と耳鼻咽喉科疾患
大山 勝
1
,
花田 武浩
1
,
古田 茂
1
1鹿児島大学医学部耳鼻咽喉科
pp.37-43
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900666
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はじめに
粉塵が耳鼻咽喉科領域で問題になるのは,aero-digestive tractの門戸である上気道,とりわけ鼻腔である。また,外界と直接触れている頭頸部体表に生ずる変化でもあろう。ただ,粉塵といっても,その種類は多く,単独で炎症やアレルギーの原因となるもの,さらには大気中の汚染物質と共存で,より顕著な病的作用をきたすものなどがある。ここでは,これら大気と接する上気道の生体防御機構の特徴とその破綻にともなう気道粘膜病態を概説した後,粉塵の種類と生体への影響とくに炎症,アレルギーの特徴について解説する。
また,実験動物に基因する気道アレルギーや大気汚染との関連で社会問題となっている花粉アレルギーについても言及する。
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