今月の主題 肺機能検査の実際
肺機能検査のapplication
過換気症候群
田村 昌士
1
,
工藤 英俊
1
1順大呼吸器内科
pp.532-534
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215841
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はじめに
なんら器質的病変がないにもかかわらず,心理的因子,身体的因子または両者が誘因となって発作的過換気の状態となり,それに伴って身体精神両面にわたり多彩な症状を呈するものを過換気症候群という.本症は必ずしも稀ではなく,若い女性に比較的多い.また本症は多種多様の症状を示すため,しばしば他疾患と誤診されやすく,本症に対する十分な理解が必要と考えられる.本症の診断で重要な点は,特徴的な自覚症状,過換気発作を自発的に誘発できること,paper bag rebreathingで発作を阻止できることなどの臨床症状および発作時の呼吸数増多,換気量増大,呼吸性アルカローシス,低炭酸ガス血症などの検査所見である.本稿では本症の呼吸機能検査上の特徴および診断への応用を主として述べ,あわせて自験例を呈示する.
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