今月の主題 肺機能検査から疾患肺へ
各種肺疾患と機能検査
過換気症候群
西田 修実
1
Osami NISHIDA
1
1広島大学医学部・第2内科
pp.2090-2092
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217545
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解釈の仕方
この症例は,TVもfも増加して,MVおよびVAは著増し,Pao2の上昇,Paco2の著明な低下,pHの著しい上昇をきたしている.
このような所見は,拡散障害,シャント,換気・血流の不均等分布,循環障害などを伴わない疾患ないしは状態,すなわち,興奮,人為的過換気,過換気症候群,貧血・CO中毒・メトヘモグロビン血症のように活性ヘモグロビンの減少した場合,代謝性アシドーシスなどでみられるが,この症例では過換気によってPaco2は著明に低下し,そのたあにpHが上昇した呼吸性アルカローシスであるので,代謝性アルカローシスは否定され,TVもfも増加して,MVは29.3l/minと著増し,pHも7.77と著明に上昇しているので,この症例は過換気症候群と診断されうる.
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