Japanese
English
Bedside Teaching
右心不全と脾機能亢進症
Right heart failure and hypersplenism
藤岡 達雄
1
,
高橋 早苗
1
,
広沢 弘七郎
1
,
溝口 秀昭
2
Tatsuo Fujioka
1
,
Sanae Takahashi
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
,
Hideaki Mizoguchi
2
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所内科
2東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所血液内科
1Dept. of Int. Med., The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
2Division of Hematology, Dept. of Int. Med., Tokyo Women's Medical College
pp.1033-1037
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204526
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脾機能亢進症(hypersplenism)という用語は,1907年にChauffard1)によってはじめて使われ,1955年にDameshek2)がその概念を明確に規定している。彼によると,1)末梢血夜において血球3系統のうち1つまたは2つ以上が減少する,2)その低下した細胞成分が骨髄では過形成の状態にある,3)脾踵が存在する,4)脾の摘出により血液学的改善をみること,以上の4点をあげている。
脾機能亢進の原因は種々であるが,右心不全を脾機能亢進の原因として記載している成書は少なく3〜7),また詳細な報告は現在のところみあたらない。今回我々は,右心不全により脾機能亢進を来たし,この結果汎血球減少を呈した症例を5例経験したので,その症例を提示するとともに,右房圧(平均)値(以下RAmと略す)10mmHg以上の心疾患患者87例についてそのRAmと血液検査所見との関係について検討した。
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