Japanese
English
装置と方法
実時間におけるR-R間隔計測のプログラム
A Program for Measurement of R-R Interval in Real Time
武井 義明
1
Yoshiaki Takei
1
1神戸大学教養部体育学研究室
1Department of Health & Physical Education, College of Liberal Arts, Kobe University
pp.245-248
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900438
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はじめに
健常者において心拍変動や動脈血圧に周期的な変動が存在することは古くから知られている1).一般にR-R間隔の時系列データをスペクトル解析すると2つのピークが存在し,低周波領域のピークは交感神経系の活動を,高周波領域のピークは副交感神経系の活動を反映すると考えられている2).このような心拍変動のスペクトル解析では通常1msec単位で心電図R-R間隔を計測し,直接法や最大エントロピー法によりパワースペクトル密度を推定するのが一般的である1,2).
R-R間隔の計測はR波に同期のTTL信号を導出することができれば容易に計測することができるが,ハードウェアそのものの変更が必要とされる.一般に心電図の記録器はアナログ出力をもっており,増幅された信号を取り出すことができる.この心電信号からR波を検出し,R-R間隔を計測する試みはすでにいくつかの報告がある.Klingenmaierら3)は,A/D変換した信号を自己回帰移動平均低域通過フィルターにかけ,信号の平均と標準偏差を算出し,2標準偏差を超えた時点でカウンタをリセットすることでR-R間隔が計測可能であることを示した.また,Okada4)は多段階のデジタルフィルターを作成し,さらに感度良くQRS波形を認識できることを報告している.しかし,いずれのアルゴリズムも実時間計測を行うには計算量が多い.
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